はがき寸評  


 炉火に手をかざして見ている千鳥かな  
               木堂
 炉火に手をかざせば鳴ける千鳥かな   
               西谷与志女

 おそらく同じ句会の時の句ではないかと思
います。「炉火に手をかざして見ている」男
の作者と、千鳥をふと聞いた女の作者との対
象について興味を感じました。前の句は炉火
に手を焙りながら美しい風景に遊んでいる千
鳥を眺めている作者であり、後の句は障子の
中にでもいて、炉火に手をかざしながら、ふ
とその千鳥の声に耳を傾けている作者であろ
うと思います。いずれも千鳥にひかれた作者

戻る ( 句 評 ) 次の文へ