句評        三良


 花林檎活けて受付しておりし

 「十和田」六百号大会の時の句であろう。
 折から玉藻の虚子先生曽遊地巡りのため晴
子先生はじめ遠くから大勢の方々が参会され
た。
 それはまた花林檎を見る会でもあった。か
って花林檎の最中の大鰐を訪ねられた虚子先
生を忍ぶ意もあったのである。その会の受付
に花林檎を活けてあったというのである。
 これはこの会に、もっともふさわしいこと
であった。

        昭和五十七年

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