選評 手古奈


 初買いの巾着独楽も目出度くて

 新年の行事は何となく目出度い。この句は
大鰐の初句会の時の句である。温泉に入り初
詣をし、近くの木地曳きを覗く。巾着につけ
る小さな独楽が売っていた。財布がいっぱい
になって張るというので、春独楽は目出度い
ものとしてよく売れる。土産にしても喜ばれ
る。
 買いはじめにこの巾着独楽を買ったのであ
るが、こういう事も新年のこととして目出度
いというのである

        昭和三十五年

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