選評 手古奈


 減反のあまりに多し山笑う

 減反の割り当てがあまりに多いというので
ある。
 思わずあきれてものがいえないという自嘲
と、やり場のない憤懣が、それがかえって 
「山笑う」という季語とよく呼応するように
も思う。

        昭和六十二年

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