角に似て出しこの芽は何の芽や



石だたみ芽柳の影やわらかに



辛夷の芽固けれど色ほぐれ来し





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あさづきの脛白く芽に一寸青く



鉢の芽のこの庭の雨春の雨



花屑の漂えまとう葦の芽に





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晩酌になによりの味しのべの芽



たらの芽の摘みとる頃と見て通る



逞しきうばゆりの芽につまずける




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鉢のもの芽吹くもありて春近し



雪わたり又雪わたりものゝ芽に



ものゝ芽に朽葉かきわけくれしかな



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芽楓のやゝほぐれたる淡さかな



柵をして芍薬の芽のよく揃う



ゆで上げてぎしぎしの芽のさみどりに



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水仙の芽吹く力をしかと見る



ぎしぎしの芽を懐かしみ立ち話





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芽木林筆塚ありと案内さる



ものゝ芽に老ご夫婦立ち話



大いなる林鳴らして木の芽風






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虚子忌寺匂いすみれの芽の立てる



ゆっくりと芽を気にかけて庭めぐる



雪残るあたりちらほら芽の育ち



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ものゝ芽にしだれ桂の枝くゞり



夕まけていよいよ芽楓淡かりし



木の芽風ひねもす吹いて暮れにけり



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ぎしぎしの芽を摘む吾の小半日





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