新涼の湯の島巡る舟にあり



菜の花の遠ざかり行くバスの窓



晩秋の白樺にある旅情かな





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旅にあり稲の花咲く外が浜



風荒く上野の山はしかと冬



利根川の汽車の夜明けや冬の霧





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みちのくの花冷えに会い旅つゞく



二ン月の日本海は荒れていし



来年もこの雪旅つゞけたし




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春旅をつゞけて船は淡路へと



継橋の由来も聞いて春の旅



みかん畑茶畑見えて海見えて






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春旅を続けて船は淡路へと



みかん畑茶の畑見えて海見えて



種苗は早し秋田は米どころ





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春旅の句会重ねて思い出に



やゝかすみ白鷺城の遠眺め



うらゝかに宮島あとに広島へ






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春灯の今日は宮島泊まりかな



春の旅句会重ねて思い出に



パノラマのように春旅終わりけり




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山門は高し太平山の春



心よき春眠にあり特急車



春旅の疲れ車窓に寄りかゝり






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旅疲れ旅のなかばの花疲れ



鹿角野の青田平年作の色



爽やかに船酔いということもなく




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大沼に白鳥飛来二羽を見る



去年今年妻と二十日の旅に出る



旅楽し印旙の人等冬田打つ





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早春の山の温泉や旅泊まり



日短かや旅をつゞけて能登泊まり



芽木山を鳴らして男鹿の風荒し




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